40代ロスジェネの明るいブログ

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感想文08-35:生命と非生命のあいだ―NASAの地球外生命研究

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※2008年7月12日のYahoo!ブログを再掲。

 

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題名はキャッチーだ。

1978年に日本で出版されたアイザック・アシモフの科学エッセイの邦題も「生命と非生命のあいだ(原題:Is Anyone There?)」と同様の題名がつけられている。

最近だと、昨年の福岡伸一の新書「生物と無生物のあいだ」(ここ数年でもっとも面白かった新書の一つ)も似たような題名がつけられている。そして科学新書としては異例なほど売れた。

本書は2008年5月の出版なので、「生物と無生物のあいだ」に若干あやかっているのかもしれない。原題は、「Life as We Do Not Know It」であり、直訳すると「私たちの知らない生命」って感じになるしね。

福岡氏の新書でも、ウイルスが生物か無生物かという、ウイルスについて勉強する際に必ず問われる問題について書かれていたように記憶している。結論としては、確か無生物としていたのかな。

本書でも同様にウイルスについて言及している。生物ではなく、生命であるかどうかという問いで違いはある。結論は、生命である、としている。そして、さらにさらに踏み込んでいる。BSE(いわゆる狂牛病)の原因であるとされたタンパク質のプリオンも生命であるとしている。そして、私たちは生命と認識していない生命が地球上に存在する可能性もあげている。

いやはや何ともすごい展開になってきたような気がするけれど、私たちは生命を広く捉えると、地球以外の惑星にも「生命」が存在する可能性があるし、そして人工的に「生命」を作り出すこともできるようになる。

とはいえ、何となく読んでいて居心地の悪さのようなものも感じる。これまでに何となく感じていた「生命」に対する根拠のない畏敬の念の土台が崩れるというか、さらに境界線があやうくなるというか、生命論の暗唱に乗り上げてしまうというか、何とも困った話なのだ。

本書は決して簡単な読み物ではないし、生物学の知識がないと分かりにくい部分もある。読んでみても、何だか分かったような、分からないような、まあそんな本です。

それから、宇宙人とかUFOの研究といったトンデモ関係の本ではないので、そういう期待で読むとがっかりすること間違いなしです。

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(感想文の感想など)

タンパク質も生命ってことになると、非生命って何だろうとそちらの疑問が膨らむ。

私が生きているうちに地球外生命体に会える日は来るだろうか。来て欲しいな。