40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文15-28:幸せな未来はゲームが創る

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※2015年8月11日のYahoo!ブログを再掲

 

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30代半ばを過ぎて再びゲームが楽しくなってきた。子どもが生まれて、仕事が増えて、物語や小説の味わい方や感じ方が変わってきたように、ゲームへの感覚も変わったように思う。主人公や登場人物たちの気持ちについて多面的な視点で考えることができるようになってきたのかな。

30代半ばだからこそ楽しい。できることならもっとゲームをしたい(本も読みたい)。そういう気持ちが高まっている反面、家事や育児や仕事でどんどん自分の時間はなくなってきている。

そんな時に出会ったのが本書。「幸せな未来はゲームが創る」なんて良いタイトルだろう。

いまや現実を現実自体から変えることに、現実感はない。現実を変えるには、ゲームから始めることにこそ現実感がある。

現実は辛い。仕事は増え、比例して責任も増え、なのに給料はたいして増えない。仕事をもっとゲーム化すれば良いんだ。幸福感に繋げていけば良いんだ。

ゲームコミュニティにはある認識が広がってきています。つまり、ゲームに比べて、現実は不完全だという認識です。

その不完全さが幸福感を阻害する。

今日の社会において、ゲームは現実世界が満たせないでいる人類の真のニーズを満たしているのです。ゲームは現実がもたらさない報酬を人々に提供し、現実ができない形で教え、示唆を与え、夢中にさせ、協力に導いているのです。

私たちはゲームに夢中になる。それはゲームがそのようにデザインされているからだ。反面、現実はそのようにデザインされていない。現実は、ゲームを手本とするべきなのである。

ここ10年間のポジティブ心理学の内発的報酬に関する重要な知見として、次の4つが挙げられている。

①満足のいく仕事、②成功体験あるいは少なくとも成功への希望、③社会的なつながり、④意味 

これらが内発的報酬であり、現実に欠けているものだ。意味を見出せない報われない仕事に体を酷使している人も少なくない(たぶん)。自分のことを考えると、仕事について強い思い入れはない。

来た球を打つ感覚で、とにかく条件反射的に仕事している。誰が担当かというどうでも良いことには興味がなく、来た仕事は断らない。とにかくスピード。巧遅は拙速に如かず。完成度は度返しで、とにかく進める。内発的報酬を意識している暇もない。

でもゲームはもっとゆったりとリラックスして味わっている。幸福な時間と言える。

アメリカの普通の若者が21歳になるまでに読書に使う時間はだいたい2000~3000時間、コンピュータゲームやビデオゲームに使う時間は1万時間以上です。

読書よりもはるかにゲームをしている。1万時間ということは、大作RPG100種類くらいはクリアできる。私もきっとそのくらいの時間はゲームに費やしてきたと思う。

私たちはもう、ゲームを現実の生活や現実の仕事とは関係のないものとみなしてはなりません。(中略)ゲームは、私たちの関心を現実の生活からそらすものではなく、現実の生活をポジティブな感情、ポジティブな活動、ポジティブな経験、ポジティブな力で満たしてくれるものです。

ゲームのデザインとポジティブ心理学。人類はかなりの時間をゲームに費やしている。現実が辛いからゲームに逃げるのではなく、むしろ現実をゲームに近づける。この発想が面白い。

仕事や職場での人間関係に疲れ、心を病んでしまう人がいる。月曜日に憂鬱になる人がいる。ポジティブな気持ちに転換する。そのためにゲームが活用できる。

日本では具体的な取り組みは何かないのだろうか。ゲームデザインの社会への適用。私の中で新しいテーマになったと思う。

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(感想文の感想など)
ゲームデザインの社会への適用」というのは、何もできていないけれど、かなり面白い方向性だと思っている。いや、本当に。

コロナ禍で外出しにくくなっている状況を考えると、社会のゲーム化はもっと真剣に考えて良いテーマのはずだ。まだゲームへの社会の偏見は強いよなぁ。