※2011年1月31日のYahoo!ブログを再掲
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2005年に選挙に立候補すると表明するなど一躍時の人になったけれど、証券取引法違反で捕まり、起訴され、現在もまだ裁判中。民事ではライブドアホールディングスに208億円を支払い、和解が成立した、とのこと。
こうして個人資産のほとんどを失い、社会的にも苛烈なバッシングを受けたけれど、転んでもただでは起きないというか、全然元気というか。このタフさはもはや尊敬してしまう。
一時期ほどテレビには出なくなったので、あんまり活動していないと思っていたけれど、そんなことない。田原総一朗さんとの対談で知ったけれ ど、こうして小説を書いたり、メルマガだけで何千万も稼いだり、あっという間に資産を増やしている。
その原動力は、本書のテーマにもなっている「欲」だ。美酒、美食、美女…輝かしい世界を一度味わったからというよりも、まだまだやりたいことがあるという実にストレートな欲求が著者を動かしている。
宇宙開発に興味があるようで、確かにそれを実現するためには何千億というスケールのお金が必要になる。やりたいことがあって、そのためにはお金が必要で、そのお金を集めるにはどうすれば良いか、そのことを常に考え続けているんだなと感心する。
本書には、ホリエモンらしさが出ている。美酒や美食の表現にこだわりがある。これまで美味いものを飲んで食べてきたという自負があるし、そもそも美味いものが大好きなんだろう。
それから印象的なのは美女の仕出し屋。セレブのパーティに美女は不可欠。そんな美女を顧客の要望に応じて手配してくれるプロがいる。身分の上下に鼻が利き、的確に美女をあてがう。うーむ。そういう世界もあるかも。
さらに本書ではホリエモンの持論が展開されている。プロ野球球団のこと、テレビ局のこと、電波利権のこと、記者クラブのこと。制度的におかしなことや、既得権益がたくさんある。ネットによって暴かれ、そういった情報があっという間に広がるようになり、全く新しい社会が構築されるかのように一時は思えたけれど、実際にはあまり変わっていない。
テクノロジーによって情報の収集方法や共有の在り方は変わったけれど、今ある制度や既得権益が自動的に変容するということではない。テクノロジーはあくまできっかけでしかなく、制度が変わるには激しい抵抗に屈しない覚悟とそれ相応の時間をかける忍耐が求められる。
本書はさわやかな青春小説をベースにしているが、実際には日本社会と壮絶な泥仕合をした著者の辛酸がたっぷりと含まれているオトナの小説だ。
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(感想文の感想など)
2020年の都知事選に堀江さんは出馬しなかったが、ホリエモン新党という本人は関与しない政党が設立するなど、東京都知事選のエンタメ化には間接的に彩りを与えた。
それから、2020年7月19日に、自身が創業した宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」が観測ロケットの打ち上げは失敗したとのこと。今は宇宙ビジネスが注目されているが、早い時期から興味を示し、実行している姿はスゴいなと思うところ。