※2009年8月19日のYahoo!ブログを再掲
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トム・ジーグフリードっていう外国の科学ジャーナリストが書き、冨永星さんが翻訳した書。富永さんをどこかで見たと思ったら「素数の音楽」も翻訳している。
ゲーム理論って取っ付きやすいネーミングに反して、数学は絶望的に難解だ。そして今では色々なことに応用されている。経済学の分野が好例だ。
そしてゲーム理論を経済学に持ち込み大きな仕事を果たしたのが、かの「ジョン・ナッシュ」。ナッシュの人生を描いた映画「ビューティフル・マインド」のおかげで世間的にも有名な数学者だ。残念ながらぼくはその映画見たことないんだけれど・・・。
本書の原題は「A Beautiful Math: John Nash, Game Theory, And the Modern Quest for a Code of Nature」。あからさまに「A Beautiful Mind」にあやかっている。
ふむ。
英語ではMindとMathは字数が一緒で何となく似ている。一方で、日本語だとマインドとマスで似てない。だから邦題で「ビューティフル・マス」にしなかったんだろう。
まあ、そんなことはさておき、久しぶりに数学の本を読む気がする。といっても本書は数式なんてこれっぽっちも出てこない。そして悲しいことにゲーム理論の美しさを感じることは出来なかった。
とはいえ、本書はゲーム理論の歴史的背景を紐解き、そして今どういったことに応用されようとしているのか、最先端ではどんな研究が進んでいるのかについて分かりやすく書いている。
1つの分子を正確に把握することが出来ないように、一人の人間の行動を予測することは困難だ。しかし、気体の温度から分子の振る舞いが分かるように、人間集団の行動を予測する方法がある。ゲーム理論はまさに人間集団の行動を予測することに有効であると考えられている。
17世紀にアイザック・ニュートンが物理学を、18世紀にアダム・スミスが経済学を、そして19世紀にチャールズ・ダーウィンが生物学の基礎を築いた。20世紀には量子力学、遺伝学、分子生物学が花開いた。
本書を読み進めれば、ゲーム理論が経済学、量子力学、生物学とつながり、統合し、新しい地平が開けようとしていることが、分かる。世の真理にゲーム理論は深く結びついているのだ。
といっても実感を持ってゲーム理論の壮大さを認識できるかというととそうでもない。
そもそもゲーム理論が何なのかその根っこが分かんないからだ。もうちょっと勉強してみたい。
さてさて、本書でもたくさん登場するけれど、よくもまあ人間はいろんなゲームを考えつくなぁと素朴に思う。
そういえばカイジが映画化される。カイジでは数々のゲームが登場するけれど、中でも限定ジャンケンは秀逸だ。ゲーム理論の格好の題材になるだろう。
ビューティフル・マインドとカイジ。二つの映画はゲーム理論でつながっている。
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(感想文の感想など)
映画ビューティフル・マインドは見ることができた。カイジは見てない。
ゲーム理論をちょっとだけかじった今、読み直してみたいな。