40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文08-03:公務員、辞めたらどうする?

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※2008年1月30日のYahoo!ブログを再掲

 

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公務員の人生というものに興味があった。どうしてって?今、そういうところに出向していて、公務員たちに囲まれて仕事をしているから。

日本は小さな政府を目指している。職員の数を減らしたり、人件費を減らしたりしようとしている。一方で既得権益を守ろうと、道路とか農業とか医療とか公共性の高そうな事業にしがみついている既得権益のある人たちが抵抗している。しばらくはゴタゴタとするだろうけれど、どっちにしろ少しずつ職員は減らされる。

計画的に人員を減らされるっていうのは、そこに属する人間にとっては辛い。自分が属する組織が成長することで、自身の成長と重ね合わせて、生きていると実感できることもあるのに、それができない。少しずつ身が削られていく。じわじわとしぼんでいく。

将来に不安を感じる公務員がたくさんいても不思議ではないだろう。

実際に公務員になろうとする人は減ってきている。公務員の役割は、構造的にも機能的にもそして歴史的にも終わりつつある。若い人は敏感にそんな状況を感じ取るし、日々の仕事は見事にルーチンワークが多くて、知的に刺激されるようなこともあんまりない。

辞めたいと思う人は結構いるんだろうけれど、実際に辞めるとなるとそれはそれでものすごく大変なようだ。

作者は公務員の転職サイトを立ち上げ、運営している。その名も「役人廃業.com」

 

本書では実際に公務員を辞めた実例を紹介している。作者自身もその一人だ。

実際に公務員を続けていこうかどうか悩んでいる人には必読の書。公務員転職の現実について語られ、実例だけでなく具体的な方法や考慮すべきポイントが記されている。

とはいえ公務員でない人間が読んでもぴんとこない。公務員業務の閉塞感や冗長さや儀式や儀礼があまりに多いことに、端から見ているとよくこんなんで毎日遅くまで働いているなぁと感心するだけなんだけど、実際に公務員でどっぷりつかってしまうと、自身の人生観にまで浸食して、初心がすっかり色あせてしまってるんじゃなかろうか。

転職できない最大のリスク要因は、年齢だ。高血圧とか高脂血症とかと一緒で、年をとると「転職できない」リスクが高くなる。

本書はせいぜい30代中盤までに書かれている。40代になって公務員から民間企業に転職するというのは現実的ではない。そういう覚悟でお読みになると大変参考になるのだろう。

公務員を続けるのも、辞めて転職するのも、どちらもイバラの道だ。無傷で駆け抜けることはできそうにない。

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(感想文の感想など)

今、HPにアクセスしてみると「公務員プラス」へとリニューアルされていた。

でも個別相談会の案内が2018年が最新なので、現在はあまり活用されていないのかもしれない。