40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文20-16:小さな地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発

これまで環境問題についての本を読んでこなかった。直視したくなかったからだろうか。科学で取り扱うには大きすぎると思ったからだろうか。 エネルギーや感染症や食糧問題といった個別の課題については、さほど多くはないにせよ本を読んできた。それらは本質…

感想文20-15:生物の中の悪魔

著者は理論物理学者であるポール・デイヴィス。20年くらい前に『タイムマシンのつくりかた』を読んだことがある。タイムマシンをつくる壮大な思考実験の本だった。 物理学者が生命について考えたというのが本書になる。 生命は何をしているか、それを説いた…

感想文18-20:合成生物学の衝撃

※2018年6月8日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 「○○の衝撃」というタイトルの本をこれまでにいくつか読んだ。 2016/9/19:生殖医療の衝撃 2015/10/6:イスラーム国の衝撃 2014/6/10:「家族」難民 生涯未婚率25%社会の衝撃 2011/4/29:無縁…

感想文18-13:分子レベルで見た触媒の働き

※2018年5月9日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ この4月でついに異動(≒お役御免)となり、新しい部署で働き出した。ケミストリー関連について勉強する必要があり、まずは全く理解の及んでいない触媒について学んでみようということで、手に…

感想文18-08:「大学改革」という病

※2018年4月5日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 私が通っていた頃(90年代末から2000年代前半)から大学は大きく変貌している。2003年に国立大学法人法が制定されたが、2000年頃からすでに法人化への懸念が大学内で示されていたのは覚えてい…

感想文16-32:生殖医療の衝撃

※2016年9月19日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 最近は、「◯◯の衝撃」というタイトルの本が増えたように思う。「家族」難民 生涯未婚率25%社会の衝撃]とかイスラーム国の衝撃とか。ちょっと前までは、「◯◯はなぜか」というのが流行ってい…

感想文16-19:巨大ウイルスと第4のドメイン

※2016年6月21日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ ウイルスは生きているを読んで初めて知ったパンドラウイルスのこと。もうちょっと詳しく書かれた本がないかと探して、辿り着いたのが本書。 タイトルにあるように巨大ウイルスを含む最新の…

感想文16-16:ウイルスは生きている

※2016年6月15日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 私が大学院時代に学んだ生物学の授業で、ウイルスは生物ではないと学んだ。 ウイルスに対する私の緩いイメージは、生物の細胞に入り込み、自己が有する核酸を複製する、非常に微小なメカだ…

感想文15-36:イスラーム国の衝撃

※2015年10月6日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ ※ここでは本書のタイトルにならってイスラム国ではなくイスラーム国という表記で統一しています。 イスラーム国に関するニュースは毎日山のように流れている。殺害とか処刑とか爆殺とか、と…

感想文14-27:「家族」難民 生涯未婚率25%社会の衝撃

※2014年6月10日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 夫婦格差社会では、生涯未婚率が『2010年時点では男性20.1%、女性10.6%』という記載があった。私は既に結婚していて、あまりピンときていないが、一生涯で結婚しない(できない)人は決し…

感想文14-14:毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者

※2014年4月11日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 炭素文明論によると、ハーバーは毒ガス開発に携わっていたとのこと。偉大な科学者がなぜ毒ガス開発に手を染めたのか。気になって本書を手にした。 フリッツ・ハーバー(1868-1934)はユダヤ…

感想文14-11:炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす

※2014年2月22日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 医薬品クライシスと同じ佐藤健太郎さんの著書。佐藤さんは最近のサイエンス・ライターの中でも非常に読みやすく、分かりやすく、そして魅力的な文章を書ける能力のある人だ。本書も炭素を中…

感想文13-53:医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

※2013年9月1日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち]によれば、薬開発はドラマチックで、そして成功確率が極めて低いとのことだ。医薬品業界はその特殊なビジネスモデル(投資が大きく、当たれば大儲け…

感想文08-66:新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち

※2008年12月8日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓病気になると、病院に行き、医師に診断され、薬を処方される。そういえば、半年ほど前に帯状疱疹になったときは、いくつも薬をもらった。今では薬局で薬の効用効果が伝えられ、これはこうい…

感想文18−46:フィラデルフィア染色体

※2018年10月30日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ ウィキペディアによると、フィラデルフィア染色体とは、『慢性骨髄性白血病および一部の急性リンパ性白血病に見られる染色体の異常。22番染色体と9番染色体間での転座によって、c-ablとbc…

感想文13-40:イノベーションとは何か

※2013年7月3日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ ネットでは有名な池田信夫さんのご本。ネットでの言説は読んだことがあったけれど、こうして書籍を読んだのは初めて。本書はイノベーションについて分かりやすく説明してくれている。 仕事上…

感想文12-22:希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想

※2012年4月24日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 絶望の国の幸福な若者たちに続く、古市憲寿さんの本。こっちの方が古いので、時系列的には遡って読んでます。 ピースボートについて書かれた珍しい本。ピースボートとは、よくお店とかの壁…

感想文12-14:絶望の国の幸福な若者たち

※2012年3月26日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ もうぼくは若者ではない。 結婚し、子どもが生まれ、役職も与えられ、部下がいる。年長者からはまだまだ若造扱いされるけれど、さすがに若者という認識はない。 若者とバスケをすることがよ…

感想文11-16:無縁社会―“無縁死”三万二千人の衝撃

※2011年4月29日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ このブログでは過去にも「死」に関するテーマを頻繁に取り上げてきたように思う。 死について興味があるというわけではない。現代は死から隔離されているので、死を意識しないと生の意義が…

感想文10-80:生殖医療と家族のかたち

※2010年10月22日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 著者の石原先生とは、以前、仕事の関係で何度もお会いしたことがある。現場の産科婦人科医として明瞭な主張があり、そして、本書で示されているようにスウェーデンでの生殖医療の調査を行…

感想文10-68:アカデミック・キャピタリズムを超えて アメリカの大学と科学研究の現在

※2010年9月10日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 産学連携と科学の堕落に続く、イノベーションに関連する本を読む企画第4弾。 4冊目にして初めて日本人による著作。企業に軸足をおいたイノベーション関連本が多い中、本書はアメリカの大…

感想文10-44:産学連携と科学の堕落

※2010年6月18日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ イノベーションに関連する本を読む企画第三弾。ちなみに第二弾は、OPEN INNOVATION、第一弾はイノベーションのジレンマだった。 第二弾のOPEN INNOVATIONは、企業の自己完結型の研究方式が…

感想文10-39:OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて

※2010年5月31日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ イノベーションに関連する本を読む企画第二弾。ちなみに第一弾は、クリステンセンのイノベーションのジレンマ。 本書もイノベーションのメッカであるハーバード大から出されたもの。ハーバ…

感想文10-29:イノベーションのジレンマ

※2010年4月23日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ この4月に異動して、仕事の内容が変わった。どうやらイノベーションに関することを担当するようだ。はたと困った。まったく土地感がないばかりか、そもそもイノベーションということの本質…

感想文09-62:クラウドの衝撃―IT史上最大の創造的破壊が始まった

※2009年10月5日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ クラウドコンピューティング(cloud computing)と言葉がある。 ウィキペディアによると、インターネットを基本にした新しいコンピュータの利用形態である。ユーザーはコンピュータ処理を、…

感想文08-35:生命と非生命のあいだ―NASAの地球外生命研究

※2008年7月12日にYahoo!ブログに掲載したものを再掲。 ↓↓↓ 題名はキャッチーだ。 1978年に日本で出版されたアイザック・アシモフの科学エッセイの邦題も「生命と非生命のあいだ(原題:Is Anyone There?)」と同様の題名がつけられている。 最…

感想文20-14:昆虫食と文明

何かと話題の昆虫食。ポップな表紙で安易に読んでみたのだが、思った以上に難解だった。 難解な理由は、そもそも食べること、命を奪うことについての考察が込み入っているからだ。射程が広い。だからこそ分厚い。小さい字で300ページ以上ある。まとめように…

感想文20-13:1本5000円のレンコンがバカ売れする理由

いかにも興味を引きそうなタイトルの本書。最近はこういうタイトルでないと本が売れない時代なのだろう。きっと。 著者は野口憲一さん。『茨城県かすみがうら市生まれ。日本大学を卒業後、実家のレンコン生産農家を手伝いながら、大学院で社会学・民俗学を専…

感想文20-12:科学する心

小説家である池澤夏樹さんによるエッセイ。しかも科学をテーマにしている。 なぜ科学なのかと言うと、ウィキペディアに『1964年に埼玉大学理工学部物理学科に入学。1968年中退。』とあるように、理系出身なのだ。しかも物理学科。 ちょいちょい理系っぽさを…

感想文20-11:海と陸をつなぐ進化論

タイトルだけだと、生物が海から陸へと這い上がって進化した話のような印象を受けてしまう。副題は、「気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化」となっており、こう書かれると好奇心がくすぐられる。 私自身の研究テーマは、微化石からの生命進化へのアプ…