※2016年8月22日のYahoo!ブログを再掲
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最初に重要なことを伝えておこう。私はこの本を読んでも半導体のことが分かっていない、のだ。
そもそもなぜ半導体について分かりたいと思ったかというと、新しい半導体の研究開発に携わっている組織と仕事上で付き合いがあるからだ。アモルファス、バルクヘテロジャンクション、P型、N型、ホール、励起などは耳学問で用語だけは、聞き取れるようになっていったのだが、残念ながら半導体の本質的なことをほとんど理解していないことを自覚し、少しでも理解できるよう初歩的なことから学んでみようと考えたからだ。
いきなり難しい本よりもとっつきやすそうだからという、非常に単純な理由で本書を読んでみることにした。
序盤は、分かったような気になった。原子のモデルやエネルギー準位はまだ私の高校時代に学んだ物理学の知識で太刀打ちできた。
金属の場合は「温度が上がると電気を通しにくくなる」ことが特徴で、真性半導体の場合「温度が上がると電気を通すようになる」ことが特徴である。
本書で非常によく分かったことは、「半導体=そこそこ電気を通す物質」という理解はさっぱり適切ではないということだ。半導体の特徴は、温度が上がると電気を通しやすくなる、ということだ。
さて、ここからがさっぱり分からない。トランジスタがどういう仕組が分からない。トランジスタがどのように今の社会に役立っているかが分からない。
とはいえ、分かったこともある。半導体が物理学に近接しているということだ。ということは、ちゃんと物理学を学び直さないといけないかもしれない。軽くマンガを読んだら、半導体のことが分かるようになる的な安易なものではないし、半導体にまつわる科学は極めて広く、深いのだ。
それだけでも一歩前進したと思いたい。
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(感想文の感想など)
半導体について学ぼうと思い手に取った最初の本がこれだった。残念ながら今でも半導体の本質(物理学)を分かってはいない。それでも2016年のこの頃からだいぶ理解は進んできた(はず)。
2016年当時に関わったプロジェクトはあいにく上手くいかず、停滞し、2018年4月で私は異動となり、その後残念ながら終了してしまった。しかし、半導体をめぐる社会情勢は大きく変貌しており、当時のプロジェクトはそういった大きな時流に乗れるコンセプトでも体制でもなかった。私自身もまだまだ考えが幼かったなと、今振り返れば痛感している。