2022-01-01から1年間の記事一覧
最近、歳のせいかアルコールへの耐性が弱くなってきた。それでも最も何を飲むかと聞かれたらビールになるだろう。 ビールで好きなブランドはと聞かれると、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」、キリン「一番搾り」、サッポロ「黒ラベル」の順になるだろ…
コンバージェンス(convergence)を辞書で調べると、『一点に集まること。収束すること。』とある。本書では、生物学と工学がコンバージェンス(集約)することで大きな変革を起こそうとしている「マサチューセッツ工科大学(MIT)」での先駆的な研究や最新…
元素関係の本だと名著である炭素文明論(感想文14-11)がある。この本の主役はもちろん炭素だったわけだけれど、今回感想文を書いている本は多くの元素たちみなが主役だ。 著者のティム・ジェイムズさんは、 高校で科学の教師として働くかたわら、ユーチュー…
話題となった中国のSF小説。SF小説を読むのはいつ以来だろう。調べてみると2010年に銀河ヒッチハイク・ガイド(感想文10-63)とその続編である宇宙の果てのレストラン(感想文10-75)ぶりになりそう。 10年以上もSF小説を読んでいなかったのは、SFというジャ…
※2010年10月5日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ カルト的傑作である銀河ヒッチハイク・ガイドの続編。 今回もブッ飛んでいる。だんだん世界観に慣れてきたのが恐ろしい。 アーサー、フォード、ゼイフォード、トリリアンそしてマーヴィンの旅はまだ続くみたい。 あ…
※2010年8月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ アスペルガー、シモ・ヘイヘ、不気味の谷―はてなブックマークで人気のWikipedia記事ベスト10を読んで、かぜん興味を持った本書。 hatenanews.com この人気のWikipedia記事ランキングで見事第8位を獲得したのが、人生…
息子が2人いて東京都23区内(といっても高層ビルもない長閑な土地柄だが)の公立小学校にお世話になり、私自身はPTAに全く関わっていなかった。 妻は長男が6年生の時に卒対(=卒業対策委員会)メンバーとなり、その年はPTAで苦労していたのを耳にしている。…
海に降る(感想文15-55)以来の深海についての本。地球最後のフロンティア(未開拓地)と言われる深海だが、タイトルに「学」がついているようにアカデミックな見地から「開拓」されることと、経済的な利潤を得るために「開発」されてしまうことの違いが、本…
40年ちょっとの人生を振り返ると、最も大きな世界の変化は、やはり新型コロナウイルス感染症の蔓延だろう。マスクを外せなくなり、行動が制限され、感染症に怯え、働き方が変わり、そしてワクチンを接種した。 現時点で、2回摂取している。どちらもファイザ…
川上未映子さんによる小説。「ちちとらん」である。「ちちとたまご」でも「にゅうとらん」でも「にゅうとたまご」でもなく、「ちちとらん」である。振り仮名がついているので間違いない。英訳するとBreast and Ovumとなろう。Milk and Eggではない。 ウィキ…
タイトルのインパクトが凄まじい。科学少年の心を震わせる「宇宙」と「恐竜」の掛け合わせなのだ。宇宙と恐竜にどういう関係があるのだろうか。恐竜は宇宙から飛来した!?のではない。宇宙規模の減少によって恐竜は絶滅したのだ。 著者はリサ・ランドールさ…
代替医療のトリック(感想文10-49)と同じ、サイモン・シンによる著作。テーマは「ザ・シンプソンズ」だ。 実は、『ザ・シンプソンズ』の脚本家チームには、数を深く愛する者が何人もいて、彼らの究極の望みは、視聴者の無意識下の頭脳に、数学というごちそ…
ユニークなタイトルと派手な黄色いカバーで気になってはいたけれど、読んでなかった一冊。会社の本好きの方からお借りして読んだ。 まず盛大に勘違いしていた。本書は少年が主人公の小説とばかり思っていた。違うのだ。国際結婚してイギリスで生活している母…
本書は『月刊アスキー』1993年5月号~1995年6月号に掲載された、日本のコンピュータ産業に深く関わった当事者25名へのインタビュー集である。本当にお聞きしたかった方はすでに亡くなっている場合もあるが、その側近の方に話を聞いている貴重な一冊だ。 出版…
会社の方にお勧めされて読んでみた本。タイトルそのまま、誰もが知っているライト兄弟についての本。まず、訳者あとがきから引用しておこう。 ライト兄弟は日本人も敬愛を寄せてやまない偉人である。アメリカ人としては、発明王エジソンと並び、偉人中の偉人…
これからの「正義」の話をしよう(感想文10-67)、それをお金で買いますか(感想文12-78)に続く、マイケル・サンデルさんによる本の感想文。 原題は、「The Tyranny of Merit」で、「メリットの横暴」である。で、メリットって何?ってことだけれど、 自分…
高村薫さんの小説。こちらも会社の方にお借りした本。「マークスの山」と「照柿」を読んだのはたぶん、私が大学生の頃で、久しぶりに高村さんの小説を読んだ。 高村薫さんらしい、暗く重い文体で、特に序盤読み進めるのはしんどい。関西が舞台はいつものこと…
会社の方にお借りした小説。1966年の作品ということで、半世紀以上も前の小説だ。40代の私も生まれてない。だが読みにくさは全くなく、いや、最後の「切支丹屋敷役人日記」はさっぱり読めず、ググったら内容を教えてくれるサイトがあったので、私のように古…
※2010年8月15日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 石見銀山は、2007年に世界遺産に登録され、日本でもその知名度が高まった。かくいうぼくも石見銀山のことはまったく知らなかった。そしてこの本を読むまで、日本で銀を産出した山くらいにしか思っていなかった。 本…
本書の主人公は、クロード・エルウッド・シャノン(1916-2001)。ウィキペディアよると『アメリカ合衆国の電気工学者、数学者。20世紀科学史における、最も影響を与えた科学者の一人である。情報理論の考案者であり、情報理論の父と呼ばれた。情報、通信、暗…
こちらも会社の方にお借りした本。なかなか自分ではセレクトしない一冊。 主人公はタイトルの通り、宗家の三姉妹である。 宗家の三姉妹は、それぞれ、靄齢(あいれい)、慶齢(けいれい)、美齢(びれい)と名づけられた。母親譲りの切れ長の目が愛らしい三…
本書はお笑いタレントの又吉直樹さんによる小説。非常に有名。 芥川賞を受賞し、調べてみるとドラマ化され、映画化され、舞台化され、漫画にもなっている。一大産業やな。 こちらも会社の方にお借りして読んでみた一冊。毛嫌いしていたわけではないけれど、…
今村夏子さんによる小説。今村さんの作品は初めて読んだ。会社の方にお借りした本であり、40過ぎのおじさんである自分ではなかなか選択しない一冊。なお、本書は2020年に芦田愛菜さん主演で映画化されている。映画は見てない。 中学3年生の少女が主人公の小…
※2016年10月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 著者の島田裕巳さんは有名な宗教学者。八紘一宇 日本全体を突き動かした宗教思想の正体(感想文15-45)を読んだことがある。本書はそれよりも以前に出版された新書だ。 10大新宗教とは、①天理教、②大本、③生長の家…
メアリー・アニングの冒険 恐竜学をひらいた女化石屋(感想文09-35)の感想文の感想で、本書の主人公であるアラン・チューリング(1912-1954)に言及していた。 改めて調べてみると、チューリングの紙幣は昨年2021年6月から流通しているようで、是非、イギリ…
本書の著者であり、音楽武者修行をしたボクである主人公は、有名な指揮者である小澤征爾(1935-)さんだ。現在86歳で、同じ年生まれはエルヴィス・プレスリー、大江健三郎、畑正憲、仰木彬、美輪明宏、筑紫哲也、野村克也、ダライ・ラマ14世、堺屋太一、赤塚…
※2016年2月9日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 本書の初版は1972年。ということで私が生まれる前に書かれた本であり、ずいぶん昔のことだ。しかし、タイトルがなかなかにインパクトが強い。 アフリカ中央の小国ルワンダの中央銀行総裁として勤めた6年間の記録であ…
東京駅で購入した小説。 超理不尽なリストラ 転落人生からの 大逆転 そのきっかけはどんぐり!? という帯の宣伝文句に釣られて、読んでみた。 会社をリストラされて、野草や釣った魚で弁当屋を始めて、家族との関係も良くなり、万々歳的なストーリーで、気…
海に降る(感想文15-55)と同じ朱野帰子さんの小説。ずいぶん前に買っていたのだけれど、途中まで読んで読了してなかったのを発掘した。 なぜ途中で読むのをやめたのかは判然としないが、本書はラノベっぽい冗長なタイトルに似合わず、内容はわりと硬派な小…
※2015年12月24日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ WOWOWで連続ドラマ化したことで話題になった本書。海洋研究開発機構(JAMSTEC)が舞台という、なかなかにマニアックな小説だ。 思い返せば、去年、追浜(※「おっぱま」と読む)にある現実のJAMSTECに行ったことがあ…