40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

感想文20-24:在野研究ビギナーズ

在野研究っていう言葉に何とも言えない甘美な響きがある。あえて悪し様に言えば、権威主義に凝り固まった政治家と変わらないアカデミア人たちに、真っ向から学問で反旗を翻す在野の研究者。そんな構図を思い浮かべる。 本書は現役で活躍中の15人の在野研究者…

感想文16-06:アウトサイダー・アート入門

※2016年3月24日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 反アート入門(感想文10-85)に続く、椹木野衣さんのアートについての入門書。 私はアートや美術の世界に詳しいわけではないし、普段の仕事もアートに関連してはいない。しかし、全く知らない世界だからこそ、アート…

感想文10-85:反アート入門

※2010年11月13日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 著者である椹木(さわらぎ)さんは、美術評論家。 これまでのぼくの人生において、アートっぽいことは全くと言っていいほど触れていない(そりゃ美術の授業はあったし、美術館に行ったりはするけれど)し、アーティ…

感想文10-46:知性の限界―不可測性・不確実性・不可知性

※2010年6月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ タイトルだけを見ると固い感じを受けるだろう。読むまではごりごりした科学哲学の新書だと期待していた。 本書は良い意味で期待を裏切られた。架空のシンポジウムの講演録の形式をとり、(話の筋から関係の無い者も…

感想文09-35:メアリー・アニングの冒険 恐竜学をひらいた女化石屋

※2009年6月9日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 英語にも早口言葉がある。 “She sells sea shells sitting on the sea shore.” 細部の違うパターンはあるけれど、直訳すると「彼女は海岸に座って貝を売っている」となる。 何とこの彼女にはモデルがいて、それが本書…

感想文09-29:西洋博物学者列伝―アリストテレスからダーウィンまで

※2009年5月15日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 本書は分厚く、立派。お値段は約1万円で、カラーの絵がたくさん入っている。図書館で借りた。 GWにのんびりと嫁さんの実家の洋間で、のんびりと美しい図を眺めながら、偉大な博物学者たちに思いを馳せる。 うーん、…

感想文20-23:「黄色いベスト」と底辺からの社会運動

図書館の新刊コーナーにあったので読んでみた本。特段、黄色いベスト運動に強い関心を持っているわけではない。一時期は毎日のように黄色いベスト運動がニュースになっていた。暴徒と化すデモ隊と警官隊との衝突、ストラスブールでの銃乱射事件、燃えるノー…

感想文19-06:名画で読み解く イギリス王家 12の物語

※2019年2月21日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ハプスブルク家、ロマノフ家に次ぐ、イギリス王家が舞台の物語。名画で読み解くシリーズ第4段。第3段のブルボン家を読んだような読んでないような記憶が曖昧。少なくとも感想文は残っていない。 王家が転変する度に途…

感想文18-21:最強の経営者 小説・樋口廣太郎―アサヒビールを再生させた男

※2018年6月12日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ タイトルが気になって読んでみた本。樋口廣太郎(1926-2012)は実在する人物。残念ながら樋口さんはすでにお亡くなりになっている。 同い年生まれは、森英恵、菅井きん、渡邉恒雄、マリリン・モンロー、フィデル・カ…

感想文15-49:海賊と呼ばれた男

※2015年12月9日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓2013年に第10回本屋大賞を受賞した有名な作品。私はあとがきを読んで知ったのだが、ウィキペディアにあるように『主人公の国岡鐡造は出光興産創業者の出光佐三をモデルとしている。国岡鐡造の一生と、出光興産をモデ…

感想文15-16:鉄のあけぼの

※2015年4月15日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓法服の王国以来の黒木亮さんの小説。本書は川崎製鉄(現JFEスチール)創設者である西山弥太郎を主人公とした小説だ。西山弥太郎(1893-1966)はあまり知られていない。ウィキペディアにすら載っていない。私もこの本…

感想文15-05:名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

※2015年3月9日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓名画で読み解く ハプスブルク家12の物語のロマノフ版。舞台はロシアだ。ハプスブルク家の本を読んだのがもう6年前。時間が経つのが恐ろしく早く感じる。 1613年7月11日、17歳の誕生日前日に、ミハイルはしぶしぶ玉座に…

感想文14-08:かの名はポンパドール

※2014年2月12日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓黒王妃以来の佐藤賢一さんの小説。主人公はポンパドール公爵夫人(1721-64)。ウィキペディアによると『ルイ15世の公妾で、その立場を利用してフランスの政治に強く干渉し、七年戦争ではオーストリア・ロシアの2人の…

感想文14-05:法服の王国 小説裁判官

※2014年2月9日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓カラ売り屋以来の黒木亮さんの小説。経済小説が中心だった中で、こういった法律関係は新境地とも言える。裁判所、つまりは司法は、国の三権の一つであり、かなり重要な地位を占めているにもかかわらず、普段から裁判官…

感想文13-38:黒王妃

※2013年1月7日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓カポネ以来の佐藤賢一さんの小説。久しぶりに舞台がフランスの小説を読んだ。主人公は、カトリーヌ・ド・メディシス(1519-89)。結構長生きしてるなぁ。ウィキペディアによると『フランス王アンリ2世の王妃。フランス…

感想文13-16:カポネ

※2013年3月26日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓知っているようで全然知らないアル・カポネ(1899-1947)の話。ちなみに同い年生まれは、川端康成、アーネスト・ヘミングウェイ、壺井栄、アルフレッド・ヒッチコック、池田勇人。そういえばアル・カポネに関する映画…

感想文12-21:英仏百年戦争

※2012年4月23日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓小説フランス革命を読んで、すっかり作者の佐藤賢一さんのファンになった。もっと他の作品を読んでみたいと思い、本書に至った。英仏百年戦争という響き、それ自体がカッコイイ。英仏、百年、戦争、どれを切り取って…

感想文10-38:ベルギービールという芸術

※2010年5月28日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 最近、めっきり暑くなってきた。駅から会社まで徒歩で20分もかかるので、デスクに着いたら汗でびっしょりだ。 ビールが美味しい季節になってきた。朝イチでくいっとビールを飲みたい気持ちになる。 そんなときに手に…

感想文20-22:ピアノの近代史-技術革新、世界市場、日本の発展

ピアノ、私にとって近くて遠い存在だ。母が小学校教師をしていたので、実家にはピアノがある。何度か親からピアノを習ってみないかと言われたが、子ども心にピアノは女子がするものという決めつけがあり、気恥ずかしさから頑なに習おうとはしなかった。今思…

感想文17-43:電卓四兄弟

※2017年8月31日のYahoo!ブログを再掲。 ↓↓↓ 40年近く生きてきて、自分の常識のなさに卒倒しそうになる時がある。今回もそれだ。CASIOが日本企業とは知らず、さらに樫尾さんが起業してできた会社ということも知らなかった。CASIOって名字だったんだ。 カシオ…

感想文20-21:ガロア 天才数学者の生涯

数学は人を魅了する。しかし、魅了される人は限定される。日本の全人口のうち高校で数学ⅢとCを履修できた人はたぶん25%くらいだろう。 数学は美しい。否、美とはすなわち数学のことだ。しかし、それを美として捉えられる人も限定的だ。 私は数学が得意では…

感想文10-31:完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者

※2010年5月10日のYahoo!ブログを再掲。 ↓↓↓ 解けたら100万ドル!というテレビ番組の企画のような数学の問題がある。 これらは、ミレニアム懸賞問題と呼ばれ、アメリカのクレイ数学研究所が2000年に発表した7つの賞金首だ。以下が、その問題。 P≠NP予想 ホッ…

感想文20-20:クリーンミート 培養肉が世界を変える

在宅勤務となり、毎日頭を悩ませているのが、ご飯どうするか問題だ。ようやった学校給食が再開されたので、悩みのタネの量的問題は緩和されたが、おいそれと外食しにくい状況で(たまに行くけれど)、息子たちの栄養バランスを考えながら、飽きないようなご…

感想文17-10:世界をつくった6つの革命の物語

※2017年2月27日のYahoo!ブログを再掲。 ↓↓↓ 私は科学史に興味がある。科学史関係の本の多くは、その物語の中心に科学者を据えている。その科学者が何を考え、どういう時代を生き、何を発見・発明し、そしてそれが社会にどのような衝撃を与えたか。 科学者は…

感想文14-25:真珠の世界史

※2014年6月4日のYahoo!ブログを再掲。 ↓↓↓ 毒と薬の世界史(感想文09-14)、砂糖の世界史(感想文09-52)に続く、○○の世界史というタイトルの本。 毒と薬が歴史に影響を与えること、砂糖が三角貿易で世界史に登場するということは理解できる。でも、真珠?真…

感想文09-14:毒と薬の世界史―ソクラテス、錬金術、ドーピング

※2009年3月8日のYahoo!ブログを再掲。 ↓↓↓ 本書では薬と毒に関連するエピソードを古代、中世、近世、近代、そして現代にわたり、数多く取り上げている。 考えてみれば、世の中にはほぼ無限の化学物質があり、取り上げる素材には事欠かない。 そして同一の化…

コロナ禍と自粛と(おおよそ4月以降)

6月に入って久しぶりに出勤できるようになった。 これまでブログも書こうかどうか悩んでいたけれど、結局、リモートワークしていると仕事とプライベートを切り離すのが難しくなり、PCに向かっているとすべてが仕事っぽくなってしまうので、ブログを更新する…