40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文24-07:聞く技術、聞いてもらう技術

会社で1on1面談が導入された。研修はあるにはあったが、どうにも現場に丸投げ感があり、1on1面談を実施してもなかなかしっくりこない。有効に機能しているのかどうか手応えがない状況が続いていた。

雑談に終始したり、沈黙が続いたりと貴重な時間を費やして、互いに何か得たものがあったのか悩ましい。その人のタイプにもよるが、属人的にならずに1on1面談を有効な場にできないか試行錯誤していた。

そういう中で本書と出会った。この本がきっかけとなり1on1面談が劇的変わったとなれば良いのだけれど、事はそんなに単純ではない。私の実践力が問われており、少しずつ良くなっていければいいなと願っている。

心の奥底に触れるよりも、懸命に訴えられていることをそのまま受けとるほうがずっと難しい。(011)

その人が本当は何を考えているのか、本当の気持ちを出してくれるにはどうしたら良いかと悩んでいたが、そうではないのだ。「懸命に訴えられていることをそのまま受けとる」のが大事であり、そして難しい。ついつい本当はこうじゃないかとか、その裏にはこういうことがあるんじゃないかと考えてしまうが、そうではなくて「そのまま受けとる」こと、そのままにフォーカスすることを意識づけてみよう。

質問の基本は「詳しく訊く」に尽きます。「もうちょっと詳しく教えて」がベーシックな小手先。<中略>相手が気持ちを話しているとき、「具体的には何が起きたの?」と事実を聞く。(036)

なるほど。質問もいつも困る。何か付加価値を付けないと思って、ついつい自分の意見や感想を付与したくなってしまうが、それも良くないのだ。

「聞く」とは「ごめんなさい、よくわかってなかった」というためにあるのだと思うのです。(078)

なるほど。これが「聞くこと」の本質か。

一方で「聞いてもらう」。これも難しい。40過ぎのおじさんが周りに「ちょっと聞いて~」って言いにくい。別に言えば良いのにって言われそうだが、言いにくいのだ。

「聞いてもらう技術」とは「心配される技術」にほかなりません。まわりに「聞かなくちゃ」と思わせる。このとき変化するのは、自分ではなく、まわりです。環境を変質させるのが「聞いてもらう技術」な本質です。(125)

ふむふむ。自分を変えず、周りを変える。心配してもらえる、いわば愛されキャラにならないといけない。

聞いてもらう技術とは、日常の中で赤の他人を軽い友人に変える技術なのだと言えそうです。(136)

ぬおぉ、これは難しい。これがコミュ力ってやつか。赤の他人を軽い友人に変える、小学生でできてたことが今はできない。これは鍛錬が必要。

この本の「聞く」論は友人論でもあるんですね。家族でも、仲間でもなく、友人。そういう第三者が裏でこっそりとわかってくれていることの価値を、手を替え品を替え語っているわけです。(226

友人論。親友でなくても良いから、ちょっとした軽い友人を増やしていくことが、孤独の辛さや苦しさを軽減してくれる。

人生を労働にフォーカスしすぎている気がする。もっと気楽に話せる、聞ける、聞いてもらえる人間関係を構築していきたい。でも難しいよな。おっさんには。