※2008年10月29日のYahoo!ブログを再掲
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前書、「数学ガール(感想文08-44)」の第二弾。
著者ご本人から続きも出てます、というお知らせを頂戴したので、ありがたく続きを読ませてもらいました。
さて、前書との違いは、何か。そう、登場人物が一人増えたのです。
前作から登場する才媛の同級生ミルカ、英語の得意な後輩テトラに、さらに、従姉妹の中学生ユーリが追加。しかも、主人公を「おにいちゃん」と呼び、たまにネコ語になり、さらにはポニーテールというデバイス付き。テトラちゃんの上を行く妹キャラなのだ。
主人公は、ミトラさんから何倍にも希釈された緊張感のある想いを受け、テトラちゃんからはいじらしい好意を受け、そしてユーリからはストレートに甘えられる。モテモテだ。
うーん、何てうらやましい。男子校出身にぼくにとっては、決して手に入れることのできなかった環境・・・。男子校が真の原因か、という問いにはお答えしません。
ただし、こうして萌え萌えしながら読み進めると数学についての理解も深まると、勘違いしたらいけません。
最初に中学生のユーリが登場して話が進むので、前回はきっと難しすぎるって読者からクレームがついたから、今回は難易度が下がったんだと、勝手に解釈してたけれど・・・そうじゃなかった。
序盤は、「時計巡回」の話で「互いに素」が重要であることを知る。そして、辺の長さが全て整数の直角三角形は無限に存在するかについて考え、そして、単位円上に有理数解は無限に存在することについて考え、両者が同じ意味であることを理解し、驚く。
気軽に読み進められたのはここまで。ミルカさんが登場し、流れが変わる。群論の話は正直理解できてない。「群」、「元」、「環」、「体」と(高校数学を学んだとしても)馴染みのない用語が多数登場する。何?念能力(※ 纏、絶、練、発、凝、硬、堅)か?っていうくらい、漢字一文字のオンパレード。
最後にはフェルマーの最終定理の話が出てくる。谷山・志村予想がフェルマーの最終定理で重要なカギを握っているという論理的な部分は分かるけれど、中身についてやっぱり分からない。楕円曲線と保型形式の架橋となるってことだけど、うーん、分かりません。説明できません。
だいぶ前に、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」を読んだことがあり、相当面白かったけれど、難しい数学のことについてはほとんど書かれていなかった。
そして、あまりに有名なこのフェルマーの最終定理の式
という定理が、どれだけ高度な数学を駆使して解かれたのかっていうことを改めて知ることになった。
ええとね、また読み直します。
さて、本書ではもう一つ有名な数式についても説明がある。それは
e^iπ+1=0
美しすぎるね。指数関数のe、複素数のi、円周率のπが一つの等式で表される。しかもこんなにもシンプルな形で。
e^iπ=cosθ+isinθ
にπを代入して生まれること、e^x、cosx、sinxの冪級数を考えて、それらが結びついて、オイラー等式になる。この流れは理解することはできるだろう。
数学的思考は究極の美に結びつく。美は憧憬と畏敬を伴いながら、研ぎ澄まされていくのだろう。
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(感想文の感想など)
サイモン・シンの本を最近読んでないので、読んでみたいな。