※2010年8月30日のYahoo!ブログを再掲
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アスペルガー、シモ・ヘイヘ、不気味の谷―はてなブックマークで人気のWikipedia記事ベスト10を読んで、かぜん興味を持った本書。
この人気のWikipedia記事ランキングで見事第8位を獲得したのが、人生、宇宙、すべての答え。そこにはこう書かれている。
カルト的傑作『銀河ヒッチハイク・ガイド』に出てくる、「人生、宇宙、すべての答え」。この答である「42」という数字は、高次元空間に存在する優れた生命体の3次元空間への射影であり、実は高い知能を持っていたハツカネズミたちが作ったスーパーコンピュータが、数百万年の計算の末に導き出したもの。
ぼくが興味を持ったのは、すべての答えとしての42ではなく、むしろカルト的傑作としての本書。
海外のカルトなんて読んだことがない。これは読んでみるしかないと、ということで、本書を読むに至った。
簡潔に感想を書くと、「面白い!」ということに尽きる。カルトといえばカルトなのかもしれないけれど、宇宙と宇宙人とサイエンスとユーモアとブラックジョークと皮肉にあふれたコメディSF小説というジャンルに分けられるだろう。
ぼくのストライクゾーンのど真ん中で、世の中にこんなに面白い小説があったのかと、30歳を過ぎて久しぶりに衝撃を受けた。
小説では舞城王太郎以来。世界は広い。
小説を読んでもあんまり感動とかしなくなったと思ってた。歳をとって、自我がある程度確立して、自分の感性が摩耗して、不感気味になっていると思っていたら、そんなことはなかった。まだまだ知らない世界は多い。急に楽しくなってきた。
本書は1978年のラジオ版が源流となっている。なんとまあ、ぼくが生まれた年だ。四半世紀以上も前に、携帯電話もパソコンもなかった時代に、これほどすごい小説ができているなんて。
この本はずーっと一貫してテンションが高く、疾走感があり、笑いが止まらない。好きな一節を書き出してみよう。
時のかなたにかすむ太古の時代、先の銀河帝国の大いなる栄光の日々、世界は荒々しく、豊かで、そしておおむね非課税であった。
(;゜;ж;゜; )プッ!たまらない。
何?ツボが分からない?って。まあ、全体を通して読んでみることをお勧めします。
どうやら映画化されているようだし、しかも続編があるみたい。必ず手を出すだろう。1週間くらいずーっと本を読めたらどんなに幸せだろう。
読みたい本があるっていうのは、嬉しいことだね。
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(感想文の感想など)
10年以上の前の私はまだ若々しい感性を持っていたようだ。今となってはそんなにたくさんの本を読めないし、感想文を書くこともできなくなってきた。仕事が忙しいのは理由にならないだろう。
本との向き合い方、味わい方が変わってきたのだろうか。