40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文24-02:半沢直樹 アルルカンと道化師

半沢直樹シリーズの最新作。ウィキペディアによると、『半沢直樹シリーズの第5作目で、時系列的にはシリーズ第1作『オレたちバブル入行組』の前日譚にあたる。』とのこと。

ということで、登場する半沢直樹は若い。でも半沢直樹の半沢らしさ(多くのサラリーマンが憧れるができやしない)は健在っていうか、すでに出来上がっている。

「基本は性善説。だが―やられたら倍返しだ」(304)

私を含む多くのサラリーマンが抱えるルサンチマンをスカッと解消してくれる、池井戸潤さんの小説が売れるわけだ。

資金繰りはいつだって会社の生命線である。そして会社は、どんなときにでもカネがいる。売り上げが増えても減っても、走っても転んでも運転資金が発生する、厄介な生き物なのだ。それを統べる立場の経営者にかかる精神的重圧は、余人では到底計り知れないものがある。(70)

銀行員はそんな経営者に寄り添って仕事をするべきだが、そうでないことも多い。銀行のビジネスモデルは今でも有効なのだろうか。どう考えても私には向いてない。銀行に勤めなくて良かったな。

渡真利(ドラマではミッチー)のセリフが痺れる。

「誰もいえないことをお前がいい、誰も出来ないことをお前がやってくれる。それにオレたち同期がどれだけ励まされているのかわかってるのか。お前がいてくれるからこそ、オレたちはこの組織に希望を持っていられるんだ」(361)

不条理なことがまかり通る銀行の世界。希望としての半沢直樹でも現実の銀行に半沢直樹がいるわけではない。多くの若い銀行員は何を希望にして働いているのだろうか。余計なお世話だけれど。

さいごに人事部長である杉田部長のセリフも痺れる。。

「サラリーマン人生は人事で決まる。故に人事は公正でなければならない」

ホンマそれ。人事が公正であればまだ救われる。

早く異動したい。とにかく単身赴任生活に疲弊している。