40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文24-03:一人称単数

ずいぶん前に読んで書いてなかった感想文。著者は村上春樹さん。日本で最も有名な小説家なのではなかろうか。

同時に私の中で感想文を書きにくい小説家第1位でもある。本書は短編集。さらに感想書けそうにない。逆に開き直って小説にも村上春樹さんにも関係のないことを書いてみようかしら。

「人を好きになるというのはね、医療保険のきかない精神の病にかかったみたいなものなの」と彼女は言った。壁に書かれた文字を読み上げるような平坦な声で。(15)

なぜか気になる一文として印を残していた。なんて言うか、村上春樹の小説をすべて学習した後に生成AIがアウトプットした一文みたいである。村上春樹らしさをあますことなく表現している。まあ、本人が書いているのだから当たり前と言えば当たり前だけれど。

あと印象的なのが野球の話。村上春樹さんはヤクルトファンであることは有名(たぶん)で、本書でもヤクルトの話が登場する。

1978年に神宮球場に近い千駄ヶ谷に住んでいて、ヤクルトの試合を暇があれば見に行ってたとのこと。1978年と言えば私が生まれた年で、その年にヤクルトが優勝していたのか。調べてみても知っている選手はほとんどいない。

その年に、球団創設29年目にしてリーグ優勝し、そのまま日本シリーズも制覇。29歳だった村上春樹は「風の歌を聴け」を書き上げたということだ。

ヤクルトはずーっと弱かったらしく、

人生は勝つことより、負けることの方が数多いのだ。そして人生の本当の知恵は「どのように相手に勝つか」よりはむしろ、「どのようにうまく負けるか」というところから育っていく。(141-142)

という謎の人生訓を披露しているほど。

野球と言えば、昨年は甲子園球場に2度観戦に行く機会があった。あいにく対戦相手はDeNAと広島だったのでヤクルトではなかったけれど。しかも阪神がアレし、さらに38年ぶりに日本一になった。私は阪神ファンではなかったけれど、2度観戦してしかも優勝したのだから、もうファンであると公言しても良いように思う。

大谷翔平の大型契約などオフシーズンも野球の話題は尽きない。何だかんだで野球好きはまだまだ多いんだな。