40代ロスジェネの明るいブログ

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感想文09-58:日本人の英語

※2009年9月25日のYahoo!ブログを再掲

 

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出版されたのが1988年。今から20年くらい前の新書。

日本人の英語の変な部分を示しつつ、アメリカ人の英語について丹念に「日本語」で記されている。名著と呼ばれる一冊。

読んで思うのは、20年間、日本人の英語はほとんど変わっていないということ。つまり、日本人の英語教育は全く変わっていないということ。

日本人にとって分かりにくい、冠詞(a, an, the)、前置詞(in/on, out/off, with, over, aroundなど)、時制、関係代名詞などについて、丁寧に例文を上げつつ、説明されている。

ネイティブがどういう論理で英語を書くのか、この本を読めばその一端が分かるだろう。そして、英語で考えながら、英文を書くことの難しさも知ることになるだろう。

おそらく絶望感とともに・・・。

英語は、すごく論理的である。日本語にはない、装置(冠詞、多様な前置詞、時制、関係代名詞、コンマなど)によって、非常に明確に表現する。

一方で日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類を使うことで、繊細な気持ちを伝えようとする。英語には真似できない芸当だろう。真似しようとも思わないだろうけれど。

この点が、日本語人と英語人がいつまで経っても相容れない原因なのかも知れない。読む側に一定の解釈を委ねる日本語人と、全てを明確に表現できると信じている英語人。同じ人間だけれど、頭の作りの違いから、小さな諍いが生じる。

だけど、スゴイと思うのは、こういう本をアメリカ人が日本語で書いて出版しているということだ。日本人が、「アメリカ人の日本語」というタイトルで、アメリカ人が使う日本語のおかしさについて指摘する本が出れば、両者はもっと歩み寄れると思う。

さて、今や英語は、アメリカ人だけのものではなくなった。全く通じ合わない言語の国同士の最小公約数として英語が用いられている。

時制も関係代名詞も考慮しない、ローテクな英語が、ビジネスでも学会でも使われている。

ぼくも含め、この本を読んで自信を喪失しそうな方に言いたい。

大事なのは美しさではない。伝えたい気持ちなんだ!

とでも思わないと、英語でコミュニケーションしようって気にならないんだよね。

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(感想文の感想など)

2009年に日本人の英語教育は全く変わっていないと書いているが、今は大きく変わってきている。

英語学習アプリ、学習動画、さらにはAIの活用など、紙と音声再生装置による学習は過去のものになりつつある。

新しい方法やテクノロジーで改めて英語を勉強してみたい。