※2009年5月14日のYahoo!ブログを再掲
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今年はピークは過ぎたかも知れないけれど、就活の季節だ。
GWが一つの分水嶺で、GW前に決まると一安心してゆっくりと連休を満喫できるけれど、さもなくば、気が気でない不安定な状況が続いてしまう。この時期、周りで内定をもらった同級生を見ては、羨ましくも悔しい気持ちになり、さらに不安が増す。
今年は折りしの経済事情で就職活動戦線は異状有り。とはいえ、経済指標は実体経済の先取りをしているので、実際にさらに就職に悪影響が出るの来年からというのが、経済学部(経営学部だっけ?)出身の後輩の談。
本書は、好きな作家の一人である石田衣良による「就活」をテーマにした、さわやかな青春小説。
「フォーティー 翼ふたたび」、「ブルータワー」、「眠れぬ真珠」と中高年が主人公の作品を読んでいたので、逆にデビュー当時のような若い人が描かれていて、本書は逆に新鮮だった。
ちょっとばかり、あらすじを書いてみよう。
鷲田大学3年生の千晴が主人公。最難関のマスコミ(テレビ、新聞、雑誌)入社を目指す男女7人で「シューカツ・プロジェクト」を立ち上げる。
大学3年生になれば、社会の一員になることが急に求められる。試験対策に時事問題について勉強し、OBOG訪問し、藻掻きながら千春なりの答えを見つけていく。
印象的だったのが、「就職は恋愛に似ている」という一文。一方的に求めてもダメだし、どうやったら上手くいくか何てケースバイケースで明確な正解はない。
もう一つ印象に残っているのが、就活を通しての人との出会いだ。ダメな先輩もいるし、尊敬できる素晴らしい先輩もいる。ドロップアウトしてしまった人もいるし、希望通りの会社に入っても辛いことがたくさんある。働くこと、社会人になること、当たり前のようだけれど、大学生にとっては飛び込むまで想像の難しい世界だ。
さてさて、本書にあるように「新卒採用のゴールデンチケット」というのは的確な表現で、「新卒」というだけで既に付加価値がある。新卒とそうじゃないとでは、そりゃあもう雲泥の差がある。新卒になぜそんなに企業がこだわるのか、さっぱり分からないけれど、新卒というだけで高いゲタを履かせてもらえる。
ちょっと自分の頃のことを思い出してみた。就活の時期にぼくはあっさりとそのゴールデンチケットを手放した。学生時代にベンチャー的な小さな会社に入ってしまい、そりゃあ少しは就活したけれど、せいぜいちょっくら面接を受けた程度でさっさと就活レースからは撤退した。
ということで新卒時の就活の辛さは全く分からない。
だから余計に、ひたむきな千春の姿を見て、こんなに必死になってなかったとちょっと自分を恥ずかしくも思った。
ということで、ガンバレ就活!
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(感想文の感想など)
2008年9月にリーマン・ショックがあり、そこから連鎖的に世界金融危機が発生。世界的な大不況へと陥っていく。2009年はその煽りで不況になり、就活が厳しかった年だったのか。
日経平均株価も一時は6,000円台ってことで、えーっと今はいくらだ?39,000円台!15年で6倍以上。株やってれば儲かったんだな。まあやらないんだけれど。
2009年についてもうちょっと調べてみたら、この年に政権交代してたんだ。そうだった。私が役所に出向してた時だ。
2009年当時の不況はあんまり覚えてないけれど、民主党政権のごたごたは未だに覚えている。2011年に地震があり、原発事故があり、日本全体がかなり暗い感じになっていったのだった。
かといって今が好景気ってわけでもないんだよな。不思議。