※2013年10月16日のYahoo!ブログを再掲
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確か東京メトロの車内のテレビで広告されていた。ちょっと読んでみたいなぁと思っていて、ずいぶんと経っている。今も相変わらず就職戦線は芳しくなく、就活は精神的にも肉体的にも過酷な
良いところ(Fランでない)の私立大学という点で、石田衣良さんのシューカツ(感想文09-28)と設定は似ている。
しかし、相違点は主人公が非現実的な設定だということだ。なんと天才ギタリストで、既にその業界では一発屋ではあるが成功している。しかし、それでは食べていけそうにないので、周りに流されつつも就活を始める。
描かれるのはリアルな就活(と思う。私はマトモにしてないから…)。非実在的な主人公だからこそ就活のリアルさがかえって鮮明に浮き出される。
困難とは、今の状態であった。乗り越えるべき壁がはっきりと見えれば、どんなにありがたいかわからない。今の自分は、ただ停滞している
こうすれば成功するという必勝パターンも、企業からのフィードバックもなく、自分の行動が正しいのか、間違っているのか、本人は分からない。単に失敗したときにさらなるご発展を「お祈りされる」だけだ。
本書では、夢を諦める者、ブスであることを自覚して就活する女性、最後まで夢を諦めない者、既に成功している女優兼モデル、就活を面白おかしくレポートするブロガー、壮大な嘘で就職する者など、色々と登場する。まさに人生を見ているようだ。就活についての人間模様をぎっしり詰め込んでいる。
様々な登場人物を通して、読者は自分に近しい者を発見し、そして恥じ入るのかもしれない。
就職は確かに人生の分岐点かもしれない。だからこそ自分が働く会社を見つけることは大事だ。だから就活が過酷になるというわけではない。法と経済で読みとく雇用の世界(感想文13-12)にあるように、情報の非対称性と解雇規制が原因だ。
「使えないと思ったらすぐにクビにできる」のであれば、企業も雇用するリスクが小さくなる。今会社にはびこっている使えない社員のせいで、若者が雇用されにくくなっている。
こういう就活小説は、一時的なものになることをお祈りします。
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(感想文の感想など)
この小説のことを全然思い出せない。感想文まで書いたのに全く覚えてないのは珍しい。