40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文19-06:名画で読み解く イギリス王家 12の物語

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※2019年2月21日のYahoo!ブログを再掲
 
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ハプスブルク家ロマノフ家に次ぐ、イギリス王家が舞台の物語。名画で読み解くシリーズ第4段。第3段のブルボン家を読んだような読んでないような記憶が曖昧。少なくとも感想文は残っていない。

王家が転変する度に途轍もない人物が生まれ、ドラマが生まれるのが英国史の面白さといえる。また大国でいまだ王室を戴いているのはイギリスだけというのも興味が尽きない。(p.22)

私にとっては、ハプスブルク家ブルボン家、ロマノフ家よりも、イギリス王家の方が親しみ深い。なぜなら、今でも王家が残っているからだ。現在のイギリス国王であるエリザベス2世(1926-)は未だ現役で、即位した1952年から優に半世紀が経っている。ちなみに、イギリス女王と同い年生まれは、[最強の経営者]の主人公となった樋口廣太郎ほか。

イギリス王家は今でも話題が尽きない。王位継承順位第1位(次期国王)であるチャールズ(エリザベス2世の長男)は、妻であったダイアナと離婚し、そしてダイアナは事故で亡くなった。当時は大きなニュースになったものだ。

最後の公妾にして最愛の相手はアリス・ケッペル。彼女の曾孫が、現チャールズ皇太子の愛人から再婚相手となったカミラ・ポウルズだ。(p.183)

アリス・ケッペル(1869-1947)は、イギリス国王エドワード7世(1841-1910)の愛妾だ。話が複雑で頭が痛いが、国王エドワード7世の曾孫は現女王であるエリザベス2世であり、その妾の曾孫(エドワード7世と血縁関係はない)であるカミラが、現皇太子のチャールズと不倫関係の末、結婚する。意外と狭い王室の世界。

チャールズの次男であるヘンリーはアメリカ人であるメーガンと2018年5月に結婚したことも話題になった。ロイヤル・ウェディングということと、イギリス王室がアメリカ人と結婚したということも大きなニュースになった。
後世に「写真で読み解く イギリス王室 12の物語」とか出せるんじゃないかというくらい、イギリス王室は今も話題をたくさん提供してくれる。

本書ではイギリス王室の三王朝、イングランド人によるテューダー家、スコットランド人によるステュアート家、ドイツ人によるハノーヴァー家とその変名の王家について、それぞれ名画にからめた歴史物語を繙いてゆきたい。(p.22-23)

ということで詳細な物語は本書に譲るとして、ここではざくっとイギリス王家とその歴史をまとめておこう。こうでもしないと理解できない。

1337-1453:英仏百年戦争によりイングランド誕生
1455-1485:薔薇戦争(英内戦)により、テューダー朝成立
1509-1547(在位):残虐な絶対君主の代表ヘンリー8世
1553-1558(在位):メアリー1世によるプロテスタント迫害→ブラッディ・メアリー
1558-1603(在位):老練な処女王エリザベス1世テューダー朝断絶&ステュアート朝成立
1603-1625(在位):悪魔研究家ジェイムズ1世
1605:ガイ・フォークスによる火薬陰謀事件
1642-1649:ピューリタン革命
1714:ステュアート朝断絶&ハノーヴァー朝成立
1720:南海泡沫事件
1760-1820(在位):農作業と狂気をいったりきたりしたジョージ3世
1773:ボストン・ティー・パーティー事件
1781:ゾング号事件(英奴隷船ゾング号がアフリカ人奴隷を船から海に落として132人を死亡させた事件)
1840-42:アヘン戦争
1877-1901(在位):「ヨーロッパの祖母」ヴィクトリア女王

オーストリアハプスブルク家は「婚姻外交によるアメーバ的領土拡大」、スペイン・ハプスブルク家は「陽の沈まぬ国を打ち立てながら血族結婚くり返しの果てに断絶」、ブルボン家は「華麗なる宮廷文化とそれが招いたフランス革命」、ロマノフ家は「徹底した秘密主義と農奴制の反動によるロシア革命」、今回のイギリス王家ですと「歴代女王時代がもたらした反映と君臨すれども統治せずの成功」といったところでしょうか。(p.198-199)

イギリスの歴史を見ていくと、いかに今の時代が平和であるかがよく分かる。まあ、酷いものだ。とはいえ、産業革命によってイギリスはヘゲモニー国家となり、大きく繁栄し、結果的に王室制度は残った。適度に政治と距離をとることができたためと言えるし、色々あったけれど英国が経済的に大きく没落しなかった(奴隷とアヘンのおかげ)からだとも言える。

写真ではない絵画だからこそ見えてくる事実がある。歴史的な絵はあまり好みではないが、こうして歴史を学ぶと絵画を見たくなるから不思議なものだ。
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(感想文の感想など)
次男のヘンリー王子とメーガン夫人は2020年3月末に正式に王室を離脱した。Meghanとexitでメグジットと呼ばれているらしい。
王室をめぐる報道はリアリティ・ショーみたいなもので、しかもSNSと親和性が高すぎて、炎上しまくる。メーガンさんの人生そのものは大変振れ幅の大きいドラマティックな展開を見せていて、筋書きのない進行形のドラマのよう。まだまだ話題は尽きそうにない。