40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

感想文14-02:七つの会議

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※2014年1月17日のYahoo!ブログを再掲

 

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架空通貨以来の池井戸潤さんの小説。作品を読むと仕事について考えさせられる。

本書では、様々な立場の人間が交錯し、そして組織が隠してきた真実が徐々に明らかになっていく。本当の真相は、さいごのさいごまで見えてこない。このワクワク感がたまらない。

登場人物の家庭環境や生い立ちについて丁寧に描かれている。完璧な人間はどこにもいない。

登場人物はたくさん出てくるが、万年係長の八角が主人公的な位置付けだろう。セリフがカッコイイ。

「出世しようと思ったり、会社や上司にいいとこ見せようなんて思うから苦しいんだよ。サラリーマンの生き方はひとつじゃない。いろんな生き方があっていい。オレは万年係長で、うだつのあがらないサラリーマンだ。だけど、オレは自由にやってきた。出世というインセンティブにそっぽを向けば、こんなに気楽な商売はないさ」

『サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ』という植木等の歌にあるように、会社を背負っている経営者とは異なり、サラリーマンは確かに気楽。しかし、そういう境地に達するためには、色々なものを諦め、捨てなければならない。そして、多くのサラリーマンは諦めることはできない。苛烈な出世競争があり、勝ち負けが決まる。

「追い詰められたとき、ひとが変わる。自分を守るために嘘も吐く。あんただって、プレッシャーに負けて不正を許容した。同じことなんじゃないのかよ。」

虚飾の繁栄か、真実の清貧か

人間は誰しもが弱い。上司の命令に従い、まさに虚飾の繁栄を追い求めてしまう。

面白かったのは浜本優衣の話。社内に無人販売でドーナツを売るというプロジェクトを通じて、ビジネスの面白さを知り、そして人間的にも成長していく。社内に無人販売というのを何かの本で読んだんだけどなぁ。全然思い出せない…。

陰鬱としたテーマを扱っているが、こういった明るい話をうまく取り入れるあたりが、著者の巧さを感じさせる。

久しぶりの小説だったので楽しくあっという間に読みました。

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(感想文の感想など)

弊社の職場にはオフィスグリコがある。コロナで出勤率が下がり(下げられ)、さっぱり売れていない。

しかし、改めて考えてみると置いておくビジネスは面白い。富山の置き薬がアイデアの源流だろうか。

個人的にはキャッシュレスに対応して欲しい。いちいち100円を出すのが面倒なんだよね。そうなると100円均一商品でなくても良いだろうし、例えば賞味期限が近くなると値下げするということもできるかもしれない。

あるいは新商品はアンケートに答えると次回購入の際に割引きされるとかもできるだろう。きっとそういったアイデアはすでに検討されているんだろうけどね。