40代ロスジェネの明るいブログ

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感想文09-21:物語フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで

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※2009年4月7日のYahoo!ブログを再掲。

 

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急に何を思い立ったか、フランス革命の本を読みたくなった。

本書は、1789年にバスチーユ牢獄が襲撃された事件から、1804年にナポレオンが皇帝に即位するまで、分かりやすく丁寧に、人物に焦点を当てて描いた良書である。

21世紀の日本から18世紀の激動のパリにタイムスリップしたかのように、ぐぐっと引き込まれる。

革命には魅力的な人物が数多く登場する。その中でもフランス革命は強烈な魅力を持った多彩な人間が織り成すドラマだ。

革命を許容したために、自身の首もはねられることになる、思慮深く、心優しい「ルイ16世」。

処刑されたことにより、悲運な王妃として歴史に燦然と輝く「マリー・アントワネット」。

王妃を愛し、独身を捧げた「フェルセン」。

ジロンド派の黒幕「ロラン夫人」。

暗殺の天使「シャルロット・コルデー」。

医師でありながら、ギロチンによる処刑を担当し、無数の死と対峙した処刑人「シャルル=アンリ・サンソン」。

純粋過ぎた理想主義者の「ロベスピエール」。

王、民衆、貴族、軍とその権力が移行するたびごとに、多くの血が流された。革命は血を欲し、累々たる屍の上に、ナポレオンが皇帝となり、ようやく革命は終了した。

歴史に現れる人の誰しもが、一国のトップになれる可能性があると同時に、処刑や暗殺の危機とも背中合わせだった。ほんの少しの「あや」がその人の命運を変え、歴史を変えた。

世界史に疎いこともあって、本書を通じて初めて知ったこともたくさんあった。まず「メートル法」。いまや物理の国際単位となっているメートルは、フランス革命の時に考案された。1メートルは、「地球の北極点から赤道までの経線の距離の1000万分の1」として定義された。

つまり「地球1周4万キロメートル」っていうのは、図ってみたらたまたま4万キロメートルでした、というのではなく、地球1周の4000万分の1を1メートルという単位にしましょうということだったのだ。うーん、知らなんだ…。

もう一つ、質量保存の法則で有名なラヴォアジエが恐怖政治の犠牲になったということ。死刑に値するような非道なことはしていなかったにも関わらず、革命期にはたくさんの人が処刑された。ラヴォアジエもその1人。革命は偉大な科学者をも巻き込むのだ。

最後に、1804年にナポレオンによって制定された「ナポレオン法典」は、フランスの近代社会システムの基盤となった。そしてそれは、日本の民法の参考とされ、今もその精神が受け継がれているということ。

フランス革命は遠いところで遠い昔にあった事件ではない。今、ぼくたちが享受している「自由」、「平等」は、フランス革命があったからこそ得られたものだ。

終わりに、著者の言葉を引用して締めくくりたい。

フランス革命は世界史の新しい時代を切り開いた輝かしい革命であり、フランス革命を抜きにして現代世界を考えることはできない。

現代世界を考えるには、フランス革命を知らないといけない。

ああ、パリに行きたい。

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(感想文の感想など)

2011年にパリに行った。ベルギーへ向かう経由地だったけれど。財布を盗まれた以外は良い思い出だ。

2014年にもパリに行ったな。その時は、晩御飯をご一緒したフランスで仕事している日本人のカバンがレストランで盗まれた。油断も隙もありゃしない。

フランス革命は大変に面白い物語だ。もっと若いうちに知っておけば良かった。

この本をきっかけに多くのフランス革命に関連する本を読んだのだ。