40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

2021-01-01から1年間の記事一覧

感想文21-12:反穀物の人類史

私は人類史について詳しくない。考古学とか人類学に関する本はあまり読んだ記憶がない。 しかし、人類は狩猟採取生活から農耕生活へとシフトしたけれど、平均して身長は低くなり、体重は減り、寿命が縮まったとする説をどこかの本(感想文はみつからなかった…

感想文21-08:ヤタガラス

ゴースト(感想文21-07)の続編。 前回の感想文は働くことについての吐露だったが、今回は生み出すことが感想文のテーマ。 私はそんなに多くではないものの、生み出してきた。決して偉そうには言えない。なぜなら私以外の方も何かを生み出してきているからだ…

感想文21-11:動物園・その歴史と冒険

私は動物が好きだ。初めての海外旅行はケニアで、たくさんの種類の野生動物を間近で見ることができた。新婚旅行はガラパゴス諸島で、ゾウガメやイグアナなどの固有種を見て、ダーウィンの進化論を着想するきっかけを追体験した(気分を味わえた)。 家族旅行…

感想文16-04:イルカ漁は残酷か

※2016年3月2日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 6年近く前に読んだ本世界クジラ戦争(感想文10-34)では、外交問題としての捕鯨について書かれていた。そこで、『日本のイルカ漁が残酷だとして映画化される』という話があったが、それが『ザ・コーヴ』(The Cove)…

感想文10-34:世界クジラ戦争

※2010年5月13日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 著者の小松さんは、日本のクジラ外交では非常に有名な方。ずいぶん前に「くじら紛争の真実」という本を読んで、クジラの問題の歪さを知った。 そして、気付けば、日本が非難されるのはクジラだけでなくなっているし…

感想文21-10:禍いの科学

本書の副題は、「正義が愚行に変わるとき」であり、原題はPandora's Lab: Seven Stories of Science Gone Wrongである。 本書では科学的正しさが大きな間違いを引越してしまった7つの事例を紹介している。これまで私の感想文との重複もあり、より詳しく知り…

感想文64:ロボトミスト 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜

※2009年10月14日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ タイトル通り、3400回ものロボトミーを行った医師であるウォルター・フリーマン(Walter Freeman 1895~1972年)の生涯を丁寧過ぎるほど描写している。 何といっても長い。400ページ以上にわたって、事細かに1人の…

感想文21-09:水道、再び公営化!

2018年12月に水道法が改正され、自治体が水道事業の運営権を民間企業に売却するコンセッション方式を導入しやすくするという報道がなされた。 法案成立時はニュースをチラ見した記憶はあるが、その後、後追い的な報道は少なく、ネットでも詳細な情報は限定的…

感想文21-07:ゴースト

下町ロケット(感想文11-59)、ガウディ計画(感想文17-04)の続編に当たる本書。 図書館をブラブラしていたら見つけて、さらにその続編に当たるヤタガラスと一緒に楽しく読ませてもらった。 下町ロケットのドラマを見ていたので、佃航平は阿部寛さんで、山…

感想文17-04:下町ロケット2 ガウディ計画

※2017年1月28日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 下町ロケット(感想文11-59)の続編。久しぶりに池井戸潤さんの小説を読んだ。 前作は原作を読み、ドラマを見た。中小企業である佃製作所で奮闘する経営者の姿と、小説では珍しい特許紛争が描かれていることが印象的…

感想文21-06:「人新世」の資本論

サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃(感想文20-46)に続く、人新世についての本。わりと話題の本らしく、興味深く読ませていただいた。あえて大事なポイントを最初に書いておこう。 本書の主張は「脱成長」である。 無限の経済成長を断念し、万人の…

感想文21-05:騎士団長殺し

ずいぶん久しぶりに村上春樹さんの小説を読んだ。 第1部が512ページ、第2部が544ページと結構な分量で、面白いようなよくわからないような、文字だけの現代アート(こういうのを文学と言うのだろう)と向き合ってみた。申し訳ないのだけれど、ちゃんとした感…

感想文21-04:清く貧しく美しく

石田衣良さんの小説。小説の感想文を書くのは久しぶりかもしれない。小説もちょくちょく読む(2020年は1冊しか読んでなかった)のだけれど、多くは出張のお供ということがほとんどで、コロナ禍で出張がなくなり小説を読む機会を喪失していた。 今回ももちろ…

感想文14-02:七つの会議

※2014年1月17日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 架空通貨以来の池井戸潤さんの小説。作品を読むと仕事について考えさせられる。 本書では、様々な立場の人間が交錯し、そして組織が隠してきた真実が徐々に明らかになっていく。本当の真相は、さいごのさいごまで見…

感想文21-03:未熟児を陳列した男 新生児医療の奇妙なはじまり

本書の主人公は、マーティン・アーサー・クーニー(1870-1950)。同じ年生まれは、本多光太郎、ジョーゼフ・ピューリツァー、西田幾多郎など。クーニーは第一次世界大戦、世界恐慌、第二次世界大戦の時代を生きた。 本書の副題にあるとおり、新生児医療のは…

感想文21-02:データ分析の力 因果関係に迫る思考法

メインの仕事ではやってないけれど、サブの仕事ではちょいちょいデータ分析もどきをしている。メディアに登場する自称評論家が発する、データ分析に基づかない言説を私はほとんど信用していないばかりか、害悪ですらあると考えている。 私を含めて、多くの人…

感想文21-01:人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差

先日、健康診断に行ってきた。例年だと社内で行われるのだが、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け延期となり、「密」をさけるため指定の健診医療機関での受診となった。 新宿にある健診センターで、ものすごくシステマティックだけどスムーズな健康診…

感想文17-50:日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る

※2017年10月16日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 何度か書いたように思うけれど、私の初めての海外渡航先はケニアだ。だから私は、ケニアに、アフリカに強い思い入れがある。 日本の企業がアフリカで蚊帳を販売し、成功しているという話は聞いたことがあった。しか…

感想文17-34:人類50万年の闘い マラリア全史

※2017年7月11日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 医薬品とノーベル賞(感想文17-28)を読み、マラリアについて調べたくなり、辿り着いた本書。そもそもマラリアとは何か。ウィキペディアによると『熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症』とある。 私にとって初め…

感想文17-30:バッタを倒しにアフリカへ

※2017年6月27日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ インパクトのある題名。なぜバッタを倒すのか。それは蝗害(こうがい)からアフリカを救うためだ。著者の前野ウルド浩太郎さんは、1980年生まれの若い研究者だ。 本書は、人類を救うため、そして、自身の夢を叶える…

感想文17-28:医薬品とノーベル賞

※2017年6月9日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 炭素文明論(感想文14-11)以来の佐藤健太郎さんの本。会社の後輩に借りて読んだ本。佐藤さんは難しいことを分かりやすい文章で説明してくれる、そんな技量のある貴重な書き手だ。私には、非常にフィットして、読んで…

感想文17-07:赤い罠 ディオバン臨床研究不正事件

※2017年2月7日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 今から約3年前の2013年頃にこのディオバンの研究不正問題が大きく取り沙汰された。論文は撤回され、責任著者の京都府立医科大学の教授は辞職した。さらに問題となったのは、製薬会社のノバルティスファーマ社がこの臨…

感想文14-09:クマムシ博士の「最強生物」学講座

※2014年2月19日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 著者の堀川大樹さんは、クマムシを専門とする生物学者だ。1978年生まれということで30代なかばの若手研究者だ。私と同い年で少し親近感がわく。 クマムシは聞いたことがある人も多いだろう。ものすごく過酷な環境で…

2021年新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。 ずいぶん遅い新年の挨拶ですみません。 2年連続で実家に帰ることなく、新年を迎えました。昨年は長男の受験のため、今年はそう、コロナ禍のせいです。 2020年はあまり思い出深い出来事がありません。長男の小学校卒業式の…