※2010年2月22日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 小雪が登場するあのCMによりウイスキーの人気が上がってきている。 確かに、仕事に疲れた夜に、軽くレモンを搾ったハイボールを美女が提供してくれるというのは、世の男性にとってたまらないシチュエーションの一つ…
コンピュータ開発の果てしない物語(感想文21-25)に続く、スパコン関係の本2冊目。 著者は小林雅一さん。これまでに小林さんの著作でクラウドからAIへ(感想文14-10)、ゲノム編集とは何か(感想文16-39)を読んだことがある。 本書では、最近、4期連続で4…
昭和生まれの私はアナログネイティブだ。 物心ついた頃に家にあったブラウン管のテレビにリモコンはなく、ダイヤルを回してチャンネル切り替え、黒いツマミで音量を調整した。電話は当然のダイヤル式の黒電話だった。 私にとってのコンピュータの出会いはフ…
著者は服藤恵三さん。服藤さんは、警視庁科学捜査官第1号となり、日本の科学捜査の基礎を築いた人物である。 本書では有名な事件がたくさん載っている。私が高校生から大学生の頃で、連日テレビで大騒ぎしていたのを思い出す。地下鉄サリン事件(1995)、和…
直球のタイトル。初版が2021年3月であり、「今の」文部科学省を知る上での最良の一冊と言える。 私は諸般の事情で2.5年間文部科学省で働いたことがある。今から15年前近くで、丸の内時代と今の所在地である虎ノ門時代の両方を経験した。 私はたったひとつ部…
※2009年3月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 著者の高橋洋一は、財務省の元官僚である。 本書では、小泉政権下に起きた郵政民営化の全体像が、実働部隊にいた著者の視点から生々しく記されている。 郵政民営化は、05年9月の解散総選挙で、民意を得て、達成され…
※2008年3月4日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 公務員系の新書今年2冊目。まあ、あれだ。もうおなかいっぱい。もういいよ。今年はもうこれ以上、公務員に関連する本を読みません。たぶん。 本書はひどく真っ当。著者自身の人生、経験を元にして、公務員が抱える苦…
※2008年1月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 公務員の人生というものに興味があった。どうしてって?今、そういうところに出向していて、公務員たちに囲まれて仕事をしているから。 日本は小さな政府を目指している。職員の数を減らしたり、人件費を減らしたり…
名画で読み解く イギリス王家 12の物語(感想文19-06)に続く、名画で読み解くシリーズ第5段。 今回の舞台はプロイセン王国。世界史(どころか歴史全般)に疎い私は、プロイセンと聞いてもよくわからない。ドイツの昔の名前で、普仏戦争の「普」の方くらいに…
jbpress.ismedia.jp この記事を読んで、関心を持ち、本書を読むに至った。早速、結論を載せておこう。 そこで私は宣言したい。-ついに土偶の正体を解明しました、と。結論から言おう。土偶は縄文人の姿をかたどっているのでも、妊娠女性でも地母神でもない…
美しい人は得をするのか。本書では経済学者がこの疑問に真っ向から取り組んでいる。 読書リストを調べてみると、これまで美についての本を読んだことはない。アートや芸術に関連する本は読んだことがあるが、何を美とするのか、あるいは何を醜とするかについ…
「人新世」の資本論(感想文21-06)で話題になった「脱成長」というコンセプト。本書は、経済成長は至上命題なのかという根本的な疑問に挑んでいる。 本書が掲げるおもな疑問は次のとおりである。経済成長が停滞しても、現代社会は存続するのだろうか。日本…
何かを正しく評価するのは大変難しい。会社組織での自身の働きと、その評価が乖離していると感じる人は少なくないだろう。あるいは大した働きもしていないのに評価されている人をやっかむこともあるだろう。 なろう系小説や漫画での追放モノのテンプレは、現…
著者はノンフィクション作家の佐々木健一さん。これまで辞書になった男(感想文14-62)とMr.トルネード 藤田哲也(感想文17-48)を大変面白く読ませていただいた。 佐々木は人物に焦点を当てて描くタイプの作家だが、その人選がユニークだし、脈絡がなくて幅…
※2017年9月28日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 辞書になった男 ケンボー先生と山田先生(感想文14-62)以来の佐々木健一さんのご本。辞書になった男は非常に印象に強く残っている作品で、非常に面白かったのを覚えている。佐々木健一が書いた本ということで、期待…
※2014年12月19日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 本書は辞書の物語である。って、辞書?辞書は無味乾燥で、淡々と言葉の意味を説明し、整理したものと思っているかもしれない。私も思っていた。辞書に個性は疎かたいした違いはないと。そうじゃないのだ。辞書も人…
本書の原本の刊行は1996年と四半世紀も前。その15年後の2011年に文庫版が出版され、補章が追加された。例示にやや古めかしさを感じさせるが、通底する労働への苦悩は、現代でも多くの示唆を与えてくれる。 題名にあるとおり、仕事には必ず顧客がいて、その顧…
知らない業界について学ぶのは刺激的だ。仕事柄、アパレル業界とは接点がなく、おしゃれな服を買わないし、最先端のファッション動向も皆目検討つかない。 40歳を過ぎると、そもそもどういう服を着れば良いか分からない。仕事では、基本的にスラックス、ワイ…
本書の著者は、高橋 昌一郎さん。これまで高橋さんの著作では、知性の限界―不可測性・不確実性・不可知性(感想文10-46)、 理性の限界―不可能性・不確定性・不完全性(感想文11-26)を読んだことがある。 本書の主人公はジョン・フォン・ノイマン(1903-195…
※2011年7月16日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ どうやら順番が逆のようで知性の限界―不可測性・不確実性・不可知性(感想文10-46)の前書となるのが本書。とはいえ、順番を間違えても関係がないっぽい。どっちから読んでも楽しめる人には楽しめるはず。 今回も科…
※2010年1月31日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ バーゼル問題などを扱った数学ガール(感想文08-44)、そして、数学ガール/フェルマーの最終定理(感想文08-57)に続く、数学ガールシリーズ第三弾。 今回は、ゲーデル(1906~78)の不完全性定理。そうか、ゲーデ…
※2008年10月29日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 前書、「数学ガール(感想文08-44)」の第二弾。 著者ご本人から続きも出てます、というお知らせを頂戴したので、ありがたく続きを読ませてもらいました。 さて、前書との違いは、何か。そう、登場人物が一人増えた…
※2008年8月26日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 文句なく面白かった。現時点で今年一番面白い。 自らも主人公になった気持ちで、ミルカさんやテトラちゃんと一緒に数学の世界を旅する。違う国を渡り歩き、最終的に目的地に到達する。 その旅は驚きと興奮の連続だ。…
「科学」について考えることは私のライフワークだ。科学とはなんぞやという根本的な問いも大事だし、本書のように科学と非科学の境界について考えるのもとても楽しい。 東京が緊急事態宣言で図書館が閉館(この対処法には大変不満があるがそれはまた別の話)…
私は人類史について詳しくない。考古学とか人類学に関する本はあまり読んだ記憶がない。 しかし、人類は狩猟採取生活から農耕生活へとシフトしたけれど、平均して身長は低くなり、体重は減り、寿命が縮まったとする説をどこかの本(感想文はみつからなかった…
ゴースト(感想文21-07)の続編。 前回の感想文は働くことについての吐露だったが、今回は生み出すことが感想文のテーマ。 私はそんなに多くではないものの、生み出してきた。決して偉そうには言えない。なぜなら私以外の方も何かを生み出してきているからだ…
私は動物が好きだ。初めての海外旅行はケニアで、たくさんの種類の野生動物を間近で見ることができた。新婚旅行はガラパゴス諸島で、ゾウガメやイグアナなどの固有種を見て、ダーウィンの進化論を着想するきっかけを追体験した(気分を味わえた)。 家族旅行…
※2016年3月2日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 6年近く前に読んだ本世界クジラ戦争(感想文10-34)では、外交問題としての捕鯨について書かれていた。そこで、『日本のイルカ漁が残酷だとして映画化される』という話があったが、それが『ザ・コーヴ』(The Cove)…
※2010年5月13日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 著者の小松さんは、日本のクジラ外交では非常に有名な方。ずいぶん前に「くじら紛争の真実」という本を読んで、クジラの問題の歪さを知った。 そして、気付けば、日本が非難されるのはクジラだけでなくなっているし…
本書の副題は、「正義が愚行に変わるとき」であり、原題はPandora's Lab: Seven Stories of Science Gone Wrongである。 本書では科学的正しさが大きな間違いを引越してしまった7つの事例を紹介している。これまで私の感想文との重複もあり、より詳しく知り…