40代ロスジェネの明るいブログ

2020年1月11日からリスタート

2020-01-01から1年間の記事一覧

感想文20-40:我々は生命を創れるのか

ブルーバックスの本書の著者は、藤崎慎吾さんという方だ。ノンフィクションライターであり小説家らしい。初めて著作をお読みした。 「そもそも生命とは何か?」という問題に、真正面からぶち当たらざるをえなくなった。何をもって最初の生命とするかは、研究…

感想文20-39:交響曲第6番「炭素物語」

原子番号1番の水素(感想文20-38)に続いて、原子番号6番の炭素についての本。炭素については、炭素文明論(感想文14-11)がとても勉強になった。炭素なくして人類の歴史はなかったし、炭素によって歴史は大きく変動したというのは紛れもない事実だ。 本書は…

感想文20-38:水素エネルギーで飛躍するビジネス

2017年12月26日付で再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議において「水素基本戦略」が策定された。同戦略では、 本戦略は、2050年を視野に入れ、水素社会実現に向けて将来目指すべき姿や目標として官民が共有すべき方向性・ビジョンであるとともに、その実…

感想文17-03:ドナルド・トランプ 劇画化するアメリカと世界の悪夢

※2017年1月17日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 2016年、最大のニュースと言えば、米大統領選でドナルド・トランプが劇的な勝利を収めたことだろう。投票日は日本にいる私も投票状況をウェブでチェックしていたし、外勤先の日本橋で若いサラリーマンがトランプが当…

感想文16-18:若い読者のための第三のチンパンジー

※2016年6月18日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 銃・病原菌・鉄の著者として有名なジャレド・ダイアモンドさんの著書。オフィシャルな紹介では、『ダイアモンド博士の第一作『人間はどこまでチンパンジーか?』が、最新の情報を取り入れてより読みやすくコンパクト…

感想文12-34:政府は必ず嘘をつく

※2012年6月7日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ ルポ 貧困大国アメリカ II(感想文10-76)以来の堤さんの本。すっかりアメリカへのあこがれが脱色されて久しい。スポーツやビジネスのきらびやかさが相殺されて余りあるほどの暗さが同居していることが分かってきたか…

感想文10-57:新聞消滅大国

※2010年8月4日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ インターネットの到来により、射陽となりつつある新聞業界。 本書は、日本よりも一足先に新聞が消滅しつつあるアメリカの現状を丹念に描いている。 タイトルは、ルポ貧困大国アメリカをモジっている。 少し前まで、○○…

感想文20-37:「役に立たない」科学が役に立つ

そろそろノーベル賞発表の時期だ。日本人が受賞すれば盛り上がり、受賞者は必ずといっていいほど「基礎研究が大事だ」と主張し、それをメディアが取り上げるけれど、何も変わらない、ってのが繰り返される。そろそろ日本人の受賞候補者が枯渇しそうであるが…

感想文20-36:絶滅動物は甦らせるべきか

マンモスを再生せよ(感想文18-42)では、マンモスの再生を目指す野心的なプロジェクトを刺激的に描いていた。なぜマンモスを再生させるのかについての議論はあったが、本書のタイトルのような、そもそも絶滅動物を再生しても良いでしょうか?というような根…

感想文17-36:貧困と闘う知

※2017年8月13日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 貧乏人の経済学(感想文13-05)の著者の一人であるエステル・デュフロによる本。タイトルがカッコイイ。 本書の存在を知ったのはピケティと並ぶスター経済学者が政策研究にもたらした「ある革命」という記事からで、…

感想文18-09:かくて行動経済学は生まれり

※2018年4月9日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 戦略的交渉入門(感想文17-59)を読むきっかけとなった研修の交渉学(入門)。先日、交渉学(応用)を受講することができた。かなり人気のある研修らしく、スムーズに入門から応用を受講できたのはラッキーらしい。 …

感想文17-59:戦略的交渉入門

※2017年12月13日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 今年、「交渉学(入門)」という研修を受けた。これまでに受けた研修の中で、なかなか面白い部類に入る体験だった。単なる交渉術について座学で学ぶということではなく、その場で初めてお会いする方とペアになり、…

感想文17-14:イスラエルを知るための60章

※2017年4月3日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ いきなりのイスラエルに関連する本。これを読むに至った理由はシンプルだ。海外出張でイスラエルに行くことになったからだ。 何となく危険な国というイメージの強い、イスラエル。日本人でイスラエルに行ったことのあ…

感想文17-15:イスラエル

※2017年4月4日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ イスラエル関連本第2弾。本書は、2009年に出版された新書である。最新情報ではないかもしれないが、それでもコンパクトにイスラエルについてまとまっている1冊だ。 簡単に気になる箇所を挙げておこう。 本書では、建…

感想文16-28:マネー・ボール

※2016年8月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 前から気になっていたけれど、読んでなかった本の一つ。 『オークランド・アスレチックスの実在のゼネラルマネージャーであるビリー・ビーンが貧乏球団を強くするために「セイバーメトリクス」という手法を用いて野…

感想文10-35:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

※2010年5月15日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 回りくどいタイトルと萌な感じの表紙でとっつきにくさ(逆にとっつきやすいと感じる人もいるだろうけれど)はあるが、今年、話題になっている一冊。 ドラッカーって誰?って人もいるだろう。 ネクスト・ソサエティ(…

感想文09-05:ネクスト・ソサエティ

※2009年2月5日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 著者のピーター・ドラッカーは、最もビジネスに影響力のあった(05年にお亡くなりになったので)思想家として知られている。今では誰しもが使っている、「マネジメント」という考え方をの発明した人でもある。生まれ…

感想文20-35:田中一村 豊穣の奄美

毎年、家族で奄美大島に行っている。かれこれ7回行ったのだろうか。すっかり奄美の魅力に虜になっている。 今年はコロナ禍で行けなかったので、少しは奄美っぽい気持ちになりたいと思い、読んでみたのが本書である。 田中一村(1908-1977)の知名度はどれく…

感想文09-47:アルブレヒト・デューラー

※2009年7月27日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓名画で読み解く ハプスブルク家12の物語(感想文09-39)でも登場した、ドイツ最高の画家「アルブレヒト・デューラー」の生涯について日記的に描かれた本書。 息を飲むほど美しい銅板画、木版画、絵画が挿入され、見る…

感想文09-38:クリムト

※2009年6月17日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 日本でもファンの多い近代の画家の一人(1862年~1918年※森鴎外と新渡戸稲造と同い年)。 代表作の「接吻(1908年)」は、有名だろう。 自慢にならないけれどぼくは芸術方面にはとんと疎い。30を越えて急に歴史とか…

感想文08-36:ルネサンスとは何であったのか

※2008年7月15日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 今まで日本中でこれほどに「ルネッサーンス!」と叫ぶことはなかっただろう。 ワイングラスをカチリとならすこの風習は、合コン、歓送迎会、打ち上げなど、様々な場で活用されている。 髭男爵の功罪はさておき、ふと…

感想文18-54:一発屋芸人列伝

※2018年12月5日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 「一発屋芸人」と聞いてあなたは誰を思い浮かべるだろうか。私にとっては「くまだまさし」かな。 芸人として定常的に稼げる人はごく一部であり、一発どころかかすりもせず、華やかな世界の余韻を味わう機会もなく、…

感想文20-34:絶望を希望に変える経済学

貧乏人の経済学(感想文13-05)と同じく、アビジット・V・バナジーとエステル・デュフロの夫妻による著作だ。アビジット&エステル夫妻は2019年に「世界の貧困を改善するための実験的アプローチに関する功績」でノーベル経済学賞を受賞している。 私の学問的…

感想文10-88:ニッケル・アンド・ダイムド

※2010年11月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 前回読んだポジティブ病の国、アメリカ(感想文10-87)と同じ著者であるバーバラ・エーレンライクの本。本書の方が古い。 タイトルの、ニッケル・アンド・ダイムドについて、訳者のあとがきで説明されている。 ニッ…

感想文10-87:ポジティブ病の国、アメリカ

※2010年11月21日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ ルポ 貧困大国アメリカII(感想文10-76)に似た、アメリカの病状について的確に捉えた一冊。 著者はアメリカ人女性で、生物学の博士課程を取得している、懐疑主義者。まあ、疑うことのできない人間は科学者には向い…

感想文20-33:ファイト

いつ以来だろうか。私の好きな作家である佐藤賢一さんの小説。調べてみたら、遺訓(感想文18-41)以来だった。 そういえば、小説の感想文はブログを再開してから初めてだ。小説を読まないわけではないが、一時期よりも格段に読む頻度も量も減った。 読みたい…

感想文18-41:遺訓

※2018年10月11日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 本書は、佐藤賢一さんによる新徴組(感想文12-45)の続編に位置づけられる時代小説。タイトルの遺訓とは、南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)のことである。 歴史全般に疎い私は、初めて南洲翁遺訓という存在を知…

感想文18-07:維新の肖像

※2018年3月30日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 道誉と正成(感想文16-08)以来の安部龍太郎さんの小説。たまにこういう歴史小説を読みたくなる。 歴史と言っても、本書の舞台は2つある。主人公であり、イェール大学の教員である朝河貫一の1932年アメリカ。そして…

感想文16-08:道誉と正成

※2016年4月5日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ 義貞の旗(感想文16-05)に続く安部龍太郎さんの歴史小説。しかも南北朝時代のことなので、完全に重なっている。タイトルの道誉と正成とは、佐々木道誉(1296-1373)と楠木正成(1294-1336)のこと。 佐々木道誉につ…

感想文16-05:義貞の旗

※2016年3月23日のYahoo!ブログを再掲 ↓↓↓ レオン氏郷(感想文13-20)以来の安部龍太郎さんの歴史小説。 義貞とは新田義貞(1300年頃-1338年)のこと。ウィキペディアによると『鎌倉時代後期から南北朝時代にかけての御家人・武将』とのこと。 京都ぎらい(感…